こんばんは、長谷部です。
よく通る道。車を走らせていると新しい道ができていました。
途中までできていた新しい道はその先がなかなか作られませんでした。
地主さんとの立ち退き交渉がうまくいかなかったからです。地主さんはこの土地で地域の特産品を栽培していました。昔はこの特産品が地域の経済活力となっていたほどです。
しかしながら後継者もいなくなり、徐々に土地を手放す方々が増えました。広大な土地には住宅街ができました。保育園ができました。小学校ができました。病院ができました。いろいろなお店ができました。
若い世代の人口が増えて街は活性しました。この地主さんが土地を譲ってくれれば、新しい住宅街から国道へとつながる道が開通するのです。
だからと言って、今まで地域経済を担ってきた特産品栽培をやめろということもできないはずです。道はなかなかつながらないなと思っていました。そんなある時、道はつながったのです。この道のおかげで住宅街に住む人をはじめ多くの人々が便利さを感じるようになりました。
私も通ってみました。新しい道。きれいで歩道が広くて走りやすい道。国道にもつながりスムーズです。でも国道に繋がる信号が青に変わるのを待っているときにふと思い出しました。ここはもともと特産品を栽培していた土地だったんだ」と。
地主さんが手放したんだなと。私が子どもの頃は○○町と言えば△△(特産品)というほど有名な特産品でした。今は少しずつそれも衰退しいつしか町の歴史本に掲載される程度でその姿をなくしてしまうのかもしれないなと思います。
日本にはそういうものがたくさんあるのだろうと感じます。日本の農業はどんどん衰退していっているのではないかなとも思います。大きなショッピングモールができたとき「ここはもともと何があったんだっけ?」と思いました。
そこは大きな紡績工場があったそうです。昔の日本は紡績工場がたくさんあり多くの人が働いていたそうです。今は海外からの輸入が多い産業になり少しずつ力を落としたそうです。「ここは何があったっけ?」というところには広大な畑や田んぼだったということも多々あります。「ここは何があったんだろう」という疑問にはその土地の歴史が刻まれているのかもしれないなと思う今日この頃です。