ワキガは独特な臭いを発生するため、人によっては大きな悩みとなりました。人にはエクリン腺とアポクリン腺と2種類の汗腺があります。
エクリン腺は上昇した体温を下げるために汗を出しています。その他にも緊張した時や熱いものを食べた時にも汗が出ますがその成分は殆ど水分です。
アポクリン腺はフェロモンを出して異性を惹きつけると言う働きがありました。現在ではあまり意味のない働きですが、その成分には脂質やタンパク質などが含まれています。
それらの成分が皮膚の常在菌により分解されてワキガ独特な臭いを発生するのです。体質的なものが大きく人によっては殆ど臭いが気にならない事があります。
もし体質的にワキガと言う人はクリニックで治療を受ければ改善する事が可能です。直視下剥離法と言うワキガ治療が一般的となっています。この治療法ではワキの下を切開し、ワキガの原因となっているアポクリン腺を目で確認しながら除去しています。ワキガの根本原因から解決できると言うメリットがある反面、傷跡が長くなり易いと言うデメリットがあります。
非直視下手術法では目で確認せずに小さな切開でアポクリン腺を掻き出しています。直視下剥離法より傷跡が目立たないと言うメリットがあります。非直視下手術法には皮下組織削除法や皮下組織吸引法、超音波吸引法などいろいろな種類があります。
皮下組織削除法ではワキの下を1センチほど切開、特殊な器具を使用し組織ごとアポクリン腺を除去しています。
非直視下手術法の中でもワキガが治り易いと言うメリットがあります。
その代わりに担当医師には高度な技術力が求められます。皮下組織吸引法はワキの下を1センチほど切開、カニューレと言う細い管を挿入しアポクリン腺を除去しています。皮下組織削除法より負担が軽いメリットがあるものの、効果は若干劣ります。
超音波吸引法ではワキの下を小さく切開、特殊な器具を挿入し超音波を発生させアポクリン腺を破壊し吸引して除去しています。皮下組織吸引法より破壊している分だけ除去しやすいと言うメリットがある反面、全てのアポクリン腺を破壊するのが難しいと言うデメリットがあります。
その他にもボトックス注射と言う治療法もあります。この治療法ではボツリヌス菌から抽出したボツリヌストキシンと言うタンパク質を注入しています。
ボツリヌス菌は食中毒を起こしますが、毒素は完全に抜かれていますので安心です。ボツリヌストキシンにはアセチルコリンと言う汗の分泌を促す神経伝達物質の働きを抑制する作用があります。
この作用により汗を抑え、結果的に臭いを抑えます。切開せずに注射で済むため気軽に受ける事が出来ますが、約6か月から8か月くらいと効果の持続期間に限りがあります。
クリニックによって採用している治療法に違いがあるため、ホームページなどで良く確認してから来院して下さい。