韓国の明洞に行くと、街中、バッタモンを売っている屋台だらけです。企業の権利や利益をどれだけ侵害しているんだ、という話はまたの機会にするとして...
雰囲気としては、あれはあれで悪くないというか、「これこそ明洞!」みたいな感じがしますよね。
店主は、もちろん偽物だと分かっていますし、偽物を本物として販売しているわけではなく、偽物を偽物として販売しているわけです。
なぜ、そんなことをするのか?
ということになりますが、これが「驚くほど売れるから」です。
VUITTONやGUCCI、HERMESなどの世界的なブランドのブランド力というのは、すさまじいもので、もはや知らない人はいない、というレベルのものだと思います。もちろん、長谷部も好きではありませんが、そのブランド名を聞けば、ほとんど知らないブランドはありませんね。
で、これらのブランドの偽物を販売している人たちが自分たちはどんな復を着ているのか?君たちのも、もちろん偽物なんだろ?と、思いますが、実はそうではありません。
長谷部は、明洞のすべての店主にヒアリングしたわけではありませんので、お約束はできませんが、かなりの高確率で本物のノースフェイスダウンジャケットを着ています。それも、フィルパワー(ダウンのつまり具合みたいなもの)が600とか700とかではなく「800」とかが多いですね。
ノースフェイスの「800」なんて、かなりモコモコで、身体がひと回り大きく見えるほどです。まるで、スキーウェアみたいな...いや、きっとそれよりモコモコですね。。。
何故、そんなものを着ているのかというと、冬のソウルは半端なく寒いからです。
半端なく寒いところで1日中、お店を開いて商品を売っているわけですから、かなり暖かくなくてはやってられません。
で、「じゃあ、偽物たくさん売っているわけだし、ノースフェイスのダウンも偽物でいいじゃん」とか、思ったりするじゃないですか。。。
しかし、そうはいきません。
何故なら、偽物に「本物の機能」はないからです。
彼らにとっては、「機能」しなければ意味がありません。というか、寒くてやってられません(笑)
例えば、外見そっくりのノースフェイスダウンジャケットをつくり、腕のところに(本物にあるように)「800」という表示があっても、実際に暖かくなくては意味がないのです。
そんなわけで彼らは、(明洞の屋台に限っては)売っている商品は99.9%偽物ですが、自分たちが着ているノースフェイスダウンジャケットは99.9%本物なんですよ、という話。
ちなみに、カナダグースはフィルパワー1200とかありますが、あれは高いですし、正直、800あたりを超えると、いくら寒すぎるといっている冬のソウルでも、あまり変わりません。(南極とかでは、この違いに差が出ると思いますが...)なので、「なるべく安く、確かな品質で、冬の寒空の下でも1日立っていて平気なジャケット」ということを考えると、もっともコスパが良いものは、ノースフェイスになるみたいですよ。